はじめに
起業することを決めた方が最初に困ることは、とりあえず誰に相談すれば良いのかがわからないということだそうです。「はい、私どもにお任せください」と言いたいところですが、そもそも会計事務所は世間的には税金を計算する仕事をしていると思われています。また実際のこととして創業支援に積極的に取り組む会計事務所は決して多くはないのが実情のようです。
ところで、創業する皆さまの一番の不安は「事業で失敗したくない」ということだと思います。しかし実際には成功するケースばかりではなく、残念ながら道半ばで廃業してしまうこともありました。このような悔しい経験と反省を糧にし、弊社では創業時の支援に限らず、創業後も事業が上手く軌道に乗るまで全力でサポートさせていただきます。
創業する事業者様へのサービスは以下の通りとなります。これらは創業前の準備段階から始まり、創業後の税務顧問も含めてご相談に応じております。
最初の相談は無料にて承っておりますので、お電話若しくはホームページよりお問い合わせください。
創業時に意外と疎かになるのが経理体制です。
売上、仕入、経費だけの集計であれば表計算ソフトを使えば簡単にできますが、ご自身の事業の現状をタイムリーに知るには会計ソフトを活用しなければなりません。私の経験では、会計に強い経営者になるか、ならないのかは最初が肝心に思います。
また、会計や税に対して高いリテラシーを持つことは事業の発展に大きく寄与します。会計を税金計算だけに利用するのではなく、毎月の業績や資金繰りの状況などを把握するために、最初からしっかりとした経理体制を構築しましょう。
弊社では(株)TKCが提供するクラウド会計を活用し、お客様の事業の成長に伴走します。
事業資金が自己資金だけで足りない場合には金融機関から融資を受けることを検討しますが、金融機関に申込みをすれば必ず借りられるという訳ではありません。所定の書類を揃えて融資の申込みを行い、金融機関の審査をパスした方だけが融資を受けることができます。この所定の書類の中でも作成が難しいのが「事業計画書」です。金融機関に提出する「事業計画書」を端的に言えば、借りたお金を返すことができるのかを金融機関が判断するための書類です。
弊社ではお客様のビジネスモデルについて、そのビジョンと戦略を話し合い文書化し、かつ数字に落とし込みます。
また事業形態からどの程度融資を受けたら良いのか、返済期間は何年位が妥当なのか、創業時の資金はどの程度必要なのかなどを検討し、さらに創業後の売上、仕入及び経費の予測をした「事業計画書」を一緒に作成します。
このように弊社の融資のご支援は、希望額通りの融資が受けられることだけの目的ではなく、創業後の収支計画も同時に作成し、お客様の事業が成功することを願い財務面及び経営面から盤石なサポートを行います。
創業にあたり法人を設立するか、しばらくは個人事業でスタートするかについては誰もが一度は考えるテーマです。いずれが良いのかの判断は事業の規模や内容によって異なります。
以下、法人と個人事業のどちらでスタートするかにあたってのポイントを掲げます。このように弊社の創業支援は会計や税務だけではなく、その事業をどのように立ち上げるかについてもご相談に応じます。
また法人を設立する場合には司法書士様と連携し、本店所在地、資本金、株主、役員、決算月などについても経営的な視点からアドバイスさせていただきます。
1.売上に与える影響について
お客様が消費者の場合には、売上に与える影響は個人法人のどちらでも違いがないケースが殆どですが、お客様が事業者の場合や、事業者と消費者のいずれにも販売するような場合には、会社にしていることで対外的なイメージが高まり売上アップに繋がるケースがあります。また個人と法人の判断ということではありませんが、R5年10月から導入されたインボイス制度(消費税の納税)により、インボイスの有無が売上の増減に影響するケースがありますので、これからの創業はインボイスを取得すべきか検討する必要があります。
2.人を採用する場合について
人を採用するにあたっては求人募集をすることになりますが、言うまでもなく会社のほうが良い人材を確保しやすい環境にあるように思います。
3.法人設立時のコストについて
個人で創業する場合には特に費用は要しませんが、法人で創業する場合には会社を設立するための登記費用等が最低でも20万円程度必要になります。
4.税金の損得について
個人で創業する場合には特に費用は要しませんが、法人で創業する場合には会社を設立するための登記費用等が最低でも20万円程度必要になります。
個人の場合には利益に対して所得税が課税され、法人の場合には利益に対して法人税が課税されます。また消費税については基本的には個人と法人で違いはなく、原則として2年前の売上高が1,000万円を超えるときは、消費税を納税する義務が発生します。
では個人と法人のどちらが税金面で有利かと申しますと開業当初は大きな利益が見込めないのであれば、一般的には個人のほうが税金は安くなります。
その理由としては法人の場合は毎期最低でも7万円の法人住民税が発生することや、個人には「青色申告特別控除」という税金が安くなる制度が認められている点が挙げられます。
5.経理の手間について
個人の場合は簡易な帳簿に基づいた確定申告が可能ですが、法人の場合は会計ソフトを利用して取引を記録する必要があるため経理事務に時間を要します。また法人の場合に毎期作成する法人税申告書は専門知識が必要なため、多くの企業では会計事務所を利用しますが、その際の費用として主観になりますが最低でも20万円程度はかかります。
6.社会保険の加入義務について
まず個人の場合には事業主本人は社会保険に加入することができませんので国民健康保険料と国民年金保険料を支払うことになります。一方従業員については、飲食業等一定の業種を除き従業員を5人以上雇用する場合には社会保険制度に加入しなければなりません。因みに一定の業種や5人未満の従業員数であっても任意に社会保加入制度に加入することは可能です。
次に法人の場合には規模や業種を問わず、経営者本人も含め社会保険制度に加入しなければなりません。ここでいう社会保険とは健康保険と厚生年金のことになります。このように社会保険制度には両者に違いがあるものの、そのことを理由に個人、法人のどちらで創業するのかを判断するものではないと思います。
7.金融機関からの融資について
創業時における融資や創業後であっても少額の融資であれば、個人と法人で違いはありませんが、売上規模が大きくなってくると取引金額も大きくなり、必然的に融資を受ける可能性は高まります。そのようなことが近い将来想定されるのであれば最初から法人を設立するのも良いように思います。
8.経営的な側面について
個人の場合には、事業資金と生活費とを明確に区分することが難しく、また「会社の利益」や「黒字経営」という概念がないため事業の成果が見えにくく、又、事業に対する目標も立てづらいように思います。
いかがだったでしょうか、
以上 8つの視点 から述べさせていただきましたが最後に一言付け加えれば、
起業は「経営者になる」ということです。
その経営的意識を定着させ、その事業で何らかの夢を実現したいと思うのであれば、
副業など事業規模の小さい場合は別として、経営を学ぶ機会が多い「法人」が良いように思います。
売上げを伸ばすには開業前、この時期に考えることが何より大事です
開業前に一番時間を割かなければならないことは売上を確保するための準備です。
事業は走りながら考えることも大切ですが、時間に比較的ゆとりのある開業前にこそ、次の3つに分けた営業戦略を検討しましょう!
1.開業時における営業戦略を立てる
開業時は、今まで関わりのあった知人や友人に自分の事業を伝えることが出来る一番のチャンスです。
それを行わずに、開業してしばらく経ってからDMや開業挨拶状を送るのは、これはむしろ事業が上手く行っていないことを伝えているようなものです。開業時に大切なことは、応援したいという人、つまりファンを作ることです。その為には自分の想いや事業の内容を恥ずかしがることなく誠実に伝えることです。
この特別なボーナス期間を有効活用するために、SNSを駆使しての広告宣伝、開業イベントの計画、挨拶状の作成、オープンチラシの作成など、様々な方法で多くの人に起業することやオープンすることを伝え新規顧客の獲得に繋げましょう。
それともう一言付け加えますとSNSやDM、挨拶状といった空中戦も良いのですが、本当の協力者を探すには、やはり「人と会うこと」、つまり足で稼ぐことが何より大切であることも忘れないでください。
2.開業後に行う営業戦略を立てる
実際に開業してみると、予想外の問題や誤算が生じそれに対処するために時間を取られ、営業活動に充分な時間が確保できないことがあります。
また、元々営業が得意でない人は、忙しいということを理由にして営業することから逃げてしまう人もいます。起業は自由を手に入れる魅力がある一方で苦手なことを避ける自由もあるのです。
このように売上を伸ばすための努力を怠り時間だけが過ぎていき事業が立ち行かなくなるということは避けなければなりません。そうならない為に大切なことは、開業前に様々な状況を想定し打ち手を考えておくことです。
海に浮かぶ船は容易に見ることができますが、自分が乗った船は客観的に見ることができなくなりますので、冷静かつ客観的に考えることができる開業前に、船に乗った後の行動計画や営業戦略を練りましょう。
3.新規顧客をリピーターにする営業戦略を立てる
とりわけ新規顧客の獲得ばかりに目を向けていると、初めて来店されたお客様や、初めて仕事を頂いたお客様への対応が疎かになることがあります。
そこで大切なことは新規顧客にリピートしてもらうための戦略です。
新規顧客がリピーターになるかどうかは、自分に本当の実力が問われる瞬間です。
この実力には技術、品質、知識、性能、味、価格、雰囲気などだけではなく、顧客満足度を向上させるためにどのように商品を提供するか、どのようなアフターフォローを行えば再び依頼してもらえるか、口コミが増えるにはどのように感謝を伝えれば良いのか、笑顔に溢れたお店を実現するために社員教育をどのように行えば良いのか、様々な角度から検討し、固定客を増やすためのアイデアや対応策を開業準備の段階で文章化しておきましょう。
事業は走りながら考えることも大切ですが、この3つに分けた経営戦略を開業前に充分に検討しましょう。
1.お客様が事業者の場合(BtoB)
お客様が事業者の場合に最も重要なことは、自分自身または自社の魅力を相手にアピールすることです。
とりわけ実績や信頼がまだ十分に築かれていない状況で、仕事を獲得する際に最も肝心なのは、相手に「良い印象を与えること」です。この良い印象とは、情熱、魅力、誠実さ、若さ、人柄、そして将来性などが挙げられます。
また、相手とは直接的なお客様だけでなく、社員、取引先、銀行、同業者その他経営する上で関係する人も含まれます。私もBtoBの事業をしていますし、何より多くの経営者様とお付き合いしてきているので分かるのですが、事業が成功している企業の経営者様には創業時に必ず協力してくれた方がいます。BtoBのビジネスの場合は特に「気に入られてこそ」の商売であるため、自身の人柄で勝負の半分は決まっているように思います。
2.お客様が消費者の場合(BtoC)
お客様が消費者の場合は好印象だけでなく他の要素も重要です。現代の消費者は非常に要求が高く、価格だけでなく味や品質、店の雰囲気から支払い方法まで、あらゆる面で快適さを求めています。特に初めてのお客様は、お試しで利用することが多いため、優れた商品やサービスを提供できないとリピートしてもらえないどころか逆に悪い口コミが拡がることもあります。つまり、BtoBのように経験を積み重ねて徐々にレベルを上げるアプローチでは、競合店からお客様を奪うことは難しいのです。したがってBtoCの事業ではなおさら顧客の視点で物事を考えることが必要不可欠になります。
創業を決断してから開業するまでには、たくさんのことを考えなければなりません。その中には、自分だけで対処できることもあれば、オフィスや店舗の賃貸契約の条件交渉、仕入先との価格交渉、内装工事やウェブサイトの制作など、相手との交渉が必要なものも多くあります。そこで私が感じるのは、交渉が苦手な創業者は高い値段や不利な条件で契約をしてしまうことが多いということです。創業時には多くの決断が必要ですが、お人好しの人や断ることが苦手な人は特に注意が必要です。
地域の同業者は今までその地域でその業界を支えてきた先輩なので、良くも悪くも学ぶべきことはたくさんあります。実際に会ってみると素っ気ない方もいれば面倒見の良い方もいます。業種によっては同業者との連携により成り立つビジネスがあります。私も振り返ると同業者からの一言が勇気となって開業時の大変だった時期を乗り越えることが出来ました。
このように同業者との関係は遠ざけるのではなく、むしろ良い関係を築くことができないかを検討しましょう。
商売は、買った、売った、支払った、と言われ、基本的には買ったものを売り、経費を支払うことの繰り返しです。
つまり売ることが全てではなく、先ずは買うことから始まります。
そこで重要なことは仕入先や外注先の選定です。
仕入先や外注先の最終的な選定如何であなたの事業が成功するか否かの明暗を左右することだってあります。また仕入先はあなたが知りたい情報をたくさん持っています。商品トレンドや新技術の動向、地域の同業者の評判、業界における良い会社と悪い会社の特徴を聞いてみるのも良いでしょう。
選定のポイントとしては、品質や腕前、納期や対応の速さ、支払サイトなどの取引条件、財務内容など多岐に渡りますが、最終的には、人として信用できる人柄かになります。
ホームページや名刺、ロゴなどは、本来自分の技術や品質、能力をより高く或いは正しく表現するためにありますが、逆にそのイメージを台無しにしていることがあり、普通に考えれば判るようなことでも本人は意外にもそれを感じていないようです。
ではその原因がどこにあるのかを考えてみますと、起業という夢の自己実現とマーケティング思考とが区別できていないことにあります。その背景には創業時のコストを出来るだけ抑えたい、或いは自分でデザインを考えてみたいのどちらかがあるように思います。出来るだけお金をかけずに起業したいという気持ちは分かりますが、お客様から正当なお金を頂くためには、必要に応じお金を使うことが大切です。様々な準備を進める中で必ずその道のプロがいますので、お金を払ってでも任せるところは任せることが重要になります。
起業を検討しても最初の一歩を踏み出せないでいる方は世の中に数多くいるのではないでしょうか。私も実はその一人だったのでその気持ちはよくわかります。経営者になるということは、長い人生の中でも数少ない大きな転換期のひとつです。
では実際に起業した方になぜ決断できたのかを尋ねてみますと、多くの方が「あとで後悔したくないから」という言葉が返ってきます。つまり起業という夢を、夢のまま実現しないで人生を終わらせたくないということです。これは非常に理解できる考え方ですし、だからこそ多くの方が起業すべきかどうか迷うのです。
一方思いきって創業しても数年後には事業が思い通りにいかず続けられなくなり「後悔する」こともあります。しかしその後悔は創業したことに対するものではなくその事業の進め方に対する後悔です。何事も最初が肝心です。決断に迷いがある方や相談相手を探している方はどうぞお気軽にご連絡ください。相談は無料で承ります。
冷静に考えれば見送るべきであったケースでも、創業への焦りから冷静な判断ができずに開業し、結果として短期間で廃業することになる人がいます。例えば飲食業での起業を目指していたAさんは、一向に良い出店場所が見つからずにヤキモキしていました。そんなとき、相談していた不動産屋から良い場所が空いたという連絡が入りました。Aさんは早速その物件を見に行くと、立地は決して良いとはいえないが何より家賃が安い、そしてまた不動産屋からはこのエリアは空き情報が少ないので時間を置くと他の事業者にとられてしまう可能性があると言われ、Aさんは背中を押されるように賃貸契約を締結して起業しました。その結果、立地がネックとなり1年も経たないうちに廃業することになりました。
その他、フランチャイズ本部からのエリア調査の結果が良かった、金融機関に融資を申し込んだところ審査が通った連絡が入った、起業セミナーを受講し事業プランが高く評価された、このように専門家からの評価や気持ちの高揚が自信となり起業に踏み切った結果失敗するケースがあります。絶対に成功することが自分で確信できるのなら誰だって迷うことはありません。だからといって他人の一言を拠りどころにしての起業は、成功の確率が上がるわけではありません。
ライトハウス税理士法人の代表を務める猪熊正美も皆様と同じく、この事業に自分の人生を賭けたいという気持ち、自分の事業で多くの人を喜ばせたいという想い、そういう情熱が不安を吹き飛ばし、平成14年に独立を決断しました。創業間もないときのエピソードを一つ紹介します。
仕入先である(株)TKCの担当者に「同業者は年間どのくらいの顧問先を増やしていますか」と尋ねたところ、この業界の驚くべき現実を知らされました。その答えは「猪熊さん、年間10件も増えれば良いほうですよ」と言うのです。私はこの業界の現実にどういう訳かひどく傷ついたのでした。そこで私は早速その日の夜じっくりと考えて、最低でも1年間に20件を増やすために目標は年間30件にしました。しかしこの目標を達成するには月に2件から3件のペースで新規契約を捕ることになり、その為には週に1件のペースで商談がないと行き詰ることになる、そう思うと気合が入る反面どこかで怖くもなりました。この高い目標を掲げた私の開業した頃の口癖は「絶対に負けない」でした。
昼間に積極的な営業活動をするため夜はその反動が大きく、反省と後悔の連続で、落ち込む日も多々ありました。その度に「絶対に負けねーぞ」と叫んでいました。その当時の仕事の依頼はほとんどが電話であったため、暇があれば携帯に向かって「鳴れ、鳴ってくれ」とつぶやきながら握り締め、1日電話が鳴らないときはガッカリし、一方で携帯電話に登録のない番号から連絡が入ると、「よし来た!」といった具合で一呼吸おいてから着信ボタンを押すのでした。今振り返るととても懐かしい思い出です。